マックロマンス(MAC ROMANCE)
1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む
バー・スタイリスト MAC ROMANCE
2007/08/31
先日、某高級車の新車発表会のパーティー会場でバーサービスしてきた。私の配属はVIPルーム。招待客は芸能人から建築家までそれはもう豪華な顔ぶれである。セレブをお相手に私はカクテル作りを担当。となりのブースではワインやシャンパンがふるまわれていた。さて、このようなパーティー会場で最も人気のある飲み物は何だろうか。残念ながらというか、答えは私の作るカクテルではない。最近はパーティーでカクテルを召し上がる人は少なくなった。シャンパンやワインの方がずっと人気度が高い。特に今回はすごい銘柄のワインが登場して、おかわりを求める客が続出していた。でも一番人気のあった飲み物はシャンパンでもワインでもない。
私はバーのような店を経営しているのだけれど、店には営業マンというのがやってくる。一日の売上がたかだか数万円というような小さな店なので、営業する側からするととても効率のよい相手とは言えず、実際に大手のメーカーからはほとんど無視されている(というか存在すら知られていない)のが実情なのだけれど、ときには名刺を見ただけでこちらが頭を下げたくなるような一流企業の営業マンが、慢心の笑みとともに玄関のドアをノックする。というようなこともないわけではない。一昨年だったか、ロングテールについて語ったビジネス書がベストセラーになっていた。本当の強者は弱者を馬鹿にしない。網の目からこぼれ落ちる細かい砂金をこぼさずすくいとる能力のあるものが、この先の厳しい時代を生き残っていくのだとビジネス書は語る。
さておき、ひとくちに営業マンと言っても色々いて、酒のメーカーに関して言えば、外資の方がおしゃれで感じのよい人が多い気がする。シャンパンのようなファンタジーのある商品を売るのなら、ヘアスタイルや身だしなみにもある程度気を使った方がよいと思う。外国人のアシスタントを連れてくる営業マンもいる。日本人が外国人に弱いというのを考慮してのことだろうが、私には逆効果だ。ペリエジャポンからとても美しい女性が営業に来たことがある。その場でペリエとミネラルウォーターの契約を決めた。彼女とどうのという話ではない。美しい女性の言うことを聞くのが男というものである。その後、その女性は退社され、ペリエジャポンはたしか他の会社に吸収され、私も店に立つことをやめてしまったが、ペリエはあいかわらず私の店のメニューに載っている。
ハイラグジュアリーなパーティーのバーコーナーで、最も注文されることの多い飲み物はペリエである。スポンサーとの間で利害の問題でもないかぎり、ペリエのない一流パーティーというのは存在しない。メニューになくてもお客はペリエをくれと言ってくる。水でもなければミネラルウォーターでもない。ペリエをくれと言ってくる。すごいことだと思う。ところで、ペリエの母国フランスでは一部で禁酒がトレンドになりだしているらしい。酒を飲んでさわぐパーティーというのは、もしかしてすでに時代遅れなのかも知れない。煙草をやめ酒をやめ、最近では炭水化物を食べるのもやめて、私たちは一体どこに向かっているのだろう。

1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む