連載コラム エコロジー 【エコ☆ロジカルシンキング】 Vol.3

「幻の花嫁」中国・准河レポート

エコテスト株式会社代表取締役 児玉千洋


2007/09/12

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「幻の花嫁」 中国・准河レポート

巨大化したエチゼンクラゲが大挙して日本海に押し寄せてきたのは3年前。「ナニカトテツモナイコト」が起きているに違いないと直感。中国の河川の富栄養化が原因と聞いて早速インターネットでリサーチしたところ七色に輝く汚染された河の写真を発見しました。

「ほんとにこんなに汚染されているのかしら?」とリサーチしていくと安徽省、江蘇省、山東省、河南省を流れる准河が最も汚染がひどいこと、その流域には日本を上回る人口が生活していること、当時吹き荒れた反日プロパガンダにも惑わされず、「日本をバッシングしている場合か、中国政府は水俣を克服した日本に学べ」と反政府デモを起こしたこと、などが分かりました。そして、現地で新聞社のカメラマンをしていたフォ氏が地元の人々と立ち上げた「准河衛士」という現地NGOを知ることに。

中国に留学した友人たちから「中国人は河をゴミ箱だと思っているんだ。なんでも河に捨てるんだよ」と聞いていた私は中国人の河の感覚がほんとにゴミ箱なのかどうか、もしそうだとしたら何をしても河がきれいになることはないだろうという素朴な疑問をもって、フォさんに会いに北京に飛びました。お会いしてすぐにその素朴な疑問をぶつけたところ、フォさんは「昔、河はとても綺麗だった。結婚が決まると花嫁は船に乗って、新郎の家に行き、結婚式を船の上で挙げることもあったんだよ」と教えてくれました。美しい河を称える詩も歌も物語もありました。それが今ではガスマスクをしなければ河に近づけないのです。河を覆う白い泡は1m四方の塊(ブロック状)になり時間が経つと内部に溜まったガスが爆発して飛び散ります。河の近くの小学校では皆がマスクをして授業を受けます。河からの臭気で目や咽がやられるから。メディアでも取り上げられるようになった「がん村」は准河周辺に点在し、家族全員ががんで死に絶え、誰もいなくなった家「絶戸」が数多くあります。

「幻の花嫁」 中国・准河レポート

美しい詩歌や花嫁の姿はもうどこにもありません。フォさんは美しい河の写真を取るのが仕事だったのに、いつからか川が汚れていく様に愕然としつつもシャッターを押し続け、結果的に汚染されていく河の記録を残すことが仕事になってしまったことに傷ついておられました。

世界の工場となった中国、私たちが手にする安い中国製品。その安さは環境のコストが含まれていないからこそ。右肩上がりの中国株にニンマリしている人は多いはず。でも、その裏には汚染があり、がん村があることを知らなくてはなりません。なにやら上からモノを言ってる感が漂いますが、現地でみせてもらった汚染企業リストに、自分がいそいそと株を購入した中国企業名を見つけ、フォさんの前でフリーズしちゃったのは私です。

(写真上)中国書道家から送られた「雪中梅」の書、(下)中国全土の地図


児玉千洋(Chihiro Kodama)

児玉千洋(Chihiro Kodama)

エコテスト代表取締役。社員は「女性かつ環境を専門にした大学院卒に限る」というセクシー企業。入社希望の大卒男性を「女性&院卒が条件です」と一蹴するのが日課。某衛星放送のキャスターも勤め、また、2007年から旦那が議員になり町内をうつむきかげんで歩いている。





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