マックロマンス(MAC ROMANCE)
1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む
バー・スタイリスト MAC ROMANCE
2007/12/28
前回、最近の若者はワインを飲まないという話をした。これには根拠はなくて、ただ私がそう感じるという話だったのだけれど、気になってちょっと経済ニュースなどをチェックしてみたら、なるほど確かに、私たちの世代にくらべて若者たちがワインを飲まなくなっているという記事がいくつか見つかった。若者がワインを飲まなくなっているのは日本だけの現象ではなく、ワインの本場フランスやイタリアでも同事情らしい。当地の若人は食事の際、ワインのかわりにビールやコーラを好んで飲んでいるとのこと、ついでに日本における若者の日本酒離れが指摘されていた。こういう話を前にも聞いたことがあると思ってもう少し調べてみたらあった。若者のビール離れが深刻、という話題。その記事によると、若い世代の消費者がワインや焼酎にとられてビール業界に将来に不安が広がっている。だそうな。みんなそろって、若者たちが自分のところから離れていくのを自慢し合っているように見える。
若者のワイン離れと言ったって、ほんの少し前まではワインを飲んでる日本人はそんなにいなかった。ワインブームが発生して約20年、ここからがワイン業界の本当の勝負どころだと私は考える。軽く提案するけれど、若者にワインを飲ませたいのだったら、まずは、あのソムリエたちをテレビや雑誌などのメディアから排除すべきだと思う。タキシードにポマード頭のアホな恰好をした物知り顔が小難しいごたくを並べてワインを語るのを見て、若者たちはお気に入りリストからワインをはずすのだ。若者がワインを買わないのは、若者が哲学書を買わないのと同じ理由、何だかむずかしくて、とっつきにくく、かっこ悪いのである。哲学書を否定しているわけではない。今の様相では若者には売れませんぜ。と申しているのである。こういうことを言うと今度はアホな哲学者が「子供でもわかる哲学の本」とか「世界で一番わかりやすい哲学の本」なんて本を出版して鼻高々、だからそれがいかん。まずはあんたが黙ってはいかがか?と申しているのである。興味がある方は実際に「子供でもわかる哲学の本」の類いを買って読んでみるとよい、たぶん最初から最後まで何のことやらさっぱり理解不能な宇宙語の羅列であるにちがいない。
生涯で一度だけワインセミナーというのに参加したことがある。初心者向けということだったのだけれど、行ってみたら案の定、フランスではワインに様々な格付けがされてうんぬんと何だかお固い内容である。ワインを楽しく飲むために、これは本当に必要なことなのかと思いながらも、ひとまずおとなしく席に座っていた。休憩時間をはさんで、何はともあれまずは飲んでみないことには何もわからんでしょう。ということになって試飲会がスタート、チーズをつまみに昼間っからあれこれたくさんの種類のワインを頂いて少々よい気分。中でも講師の飲みっぷりは凄まじく、最初は説明しながらの試飲だったのが、そのうちにボトルを抱え込んで本気で飲み始めては不安顔の主催者をよそにすっかり酩酊。あーうまい。これはうまい。さあみなさんも飲んで下さい。ワインはね。飲まないと。あーうまい。これはうまいなー。ほらそこのお嬢さんも。さあさ飲んで飲んで。みなさーん!僕はね。ワインが大好きなんです!あーうまいなー!
先生が飲めとおっしゃるのだから生徒が飲まないわけにはいかない。すでにセミナーのモラルは崩壊、会場はただの酔っぱらいの乱痴気騒ぎ、放ったらかしのスライド映写機の存在が妙に悲しい。大盛況の中そこから抜け出すのにずいぶん苦労したのを憶えている。講師の先生、次の日起きて我に返ったら、相当の自己嫌悪に陥ったんじゃないかしら。でも先生、私はけっこう楽しかったですよ。ワインのことは何も教えてもらえなかったけど、少なくとも参加する前よりもずっとワインのことが好きになりました。先生がワインを愛しているということもよくわかったしね。

1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む