連載コラム グルメ 【マックロマンスの遊牧民的バーライフ】 Vol.25

わらしべ長者

バー・スタイリスト MAC ROMANCE


2008/02/01

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今年の正月はプースカフェにいた。年末年始で休業中の店を友人たちに開放していっしょに飲みながらだらだらしようと思っていたのだけれど、ドアを開けてみると一般のお客がけっこう入ってきて、結果的にはしっかり働いてしまい、ちょっとした小遣い稼ぎになった。まあいつもほとんど何もしないでぼおっと生きているわけだから正月ぐらい働くのも悪くはなかろう。稼いだ小遣いでさっそく新しくコートを買って満足、なかなかよい新年のすべり出しである。

わらしべ長者

とはいえ今年の予定は全く白紙、正月が終わったらどうしようかなあと思っていたら、カメラマンの友人がやってきて、ロマンスが好きそうな店があるから紹介したいとのこと。言われるがままに足を運んだ先は原宿。原宿はかつての遊びのフィールドで裏も表も隅々まで熟知しているつもりだったけれど、表通りのこんな所にこんな隠れ家があったのか!とびっくりするような場所にその店はあった。店名なし、看板なし、電話番号もなし、わずか3坪の極小空間、中に人がひとりぎりぎり入れるくらいのバーカウンター、原宿のどまんなかにありながら、40年くらい時間が止まってしまったかのようなインテリア、バーというよりはまるで場末のスナックのような様相なのだけれど、何だか妙に居心地が良いのは何故だろう。聞けば店主が何人かいて日替わり交代で営業しているとのこと、なるほど、長年仲間うちで大事に守ってきた店なのだろう、きっと彼らの愛着心がこの居心地の良い空気感を演出しているにちがいない。

店というのは生き物で、自分の意思を持って勝手に行動しているのではないかと思うことがある。オカルトの話ではない。店(や会社)を経営したことのある人ならば何となく理解できる話だと思う。(話がそれそうだからこれについてはまた別の機会に話す。)この三坪のバーの日替わり店主のほとんどはもともと常連客だったのだと思う。客が店主になって新しい客がやってきて、店主が卒業した後はまた客がその後を引き継ぐ。というスタイルでずっと長い間、姿形を変えずにそこに存在し続けたのである。店に意思があるとしか思えない。

わらしべ長者

話の行く末は想像できるかも知れない。結局そこのバーで一日マスターをすることになった。まずはトライアウトとして一日営業してみて、双方がしっくりいくようだったらレギュラーで曜日を獲得することになる。どうなることやら全く想像できないけれど、これでとにかく足を一歩前に踏み出すことができた。正月営業→友人の話→原宿のバー→一日マスター。遊牧民的と言うよりはむしろ目指すはわらしべ長者!といった趣きの2008年度マックロマンスである。今後の活動にぜひご期待のほど。三坪バーでの奮闘は追ってここでも語りたいと思う。縁のある人とは現地でお会いできるものと思う。このスタイルなのでいちげんさんお断りはご理解のほど。

ところで前出のカメラマンからは他にも紹介された人がいて、何と現役女子高生の占い師。とにかくものすごくよく当たるらしい。占いに興味を持ったことはないが、これも何かの縁かと思って連絡を乞うたところ、理由はよくわからないが男性は占わないそうである。内心少しほっとした。


マックロマンス(MAC ROMANCE)

マックロマンス(MAC ROMANCE)

1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む





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