連載コラム グルメ 【マックロマンスの遊牧民的バーライフ】 Vol.42

ハーフパイントはゲイのため?(1/2)

バー・スタイリスト MAC ROMANCE


2008/05/29

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ハーフパイントはゲイのため?

日本では甘味炭酸飲料として知られる「サイダー」のルーツはおそらく英国の「アップルサイダー」で、これは発泡性のりんご酒である。英国人がどういうときにアップルサイダーを飲むのかよく知らないけれど、どこのパブにでもこのアップルサイダーがあったと記憶している。ほのかに甘くてしゅわしゅわしたりんご酒はお酒の味が苦手という人でもごくごくいける。でもこれがビールと同じようにパイントグラス(約473ml)になみなみと注がれて出てきちゃうわけで、私なんかはそれ見ただけでもうおなかがいっぱいになってしまう。パブでアップルサイダーを注文するときはハーフパイントにするのが無難かも知れない。

そんなイギリスのパブでハーフパイントのビールを注文していたら、となりの客に「君はゲイなの?」と聞かれたことがある。ゲイ→女々しい→酒に弱い→ハーフサイズというありがちな思考の図式ではないと思う。きっとゲイのコミュニティーの中で「ビールはハーフがイン」という時期、あるいはエリアがあったのではないかしら。

左耳にピアスをしていた恥ずかしい時代があって、「左耳にピアスはゲイ」「いや右耳にピアスがゲイ」「アメリカでは左耳にピアスがゲイでイギリスでは右耳がゲイ」「イギリスではトマト、アメリカではトメイト」「ポテイトというけれどポタトとは言わないからアメリカ式がコレクト」などと様々な議論のネタになったことがあるのだけれど、えーと何の話だっけ?そうそうトレンドセッターの多くがゲイという英国のサブカルチャー事情において「ビールはハーフがイン」というトレンドが存在したことがあったとしても全く不思議ではない。

パブというともうそれはイギリスのどこの街に行ってもごろごろあるんだけど、「ここはゲイの店」、「こっちはファッションピープルの店」「ここはパンクロックの店」…などと店によって独特の雰囲気やローカルルールを持っているパブも少なくない。おもしろいのはそれが店側の演出によるものではなく、店としては単に伝統的なイングリッシュパブを営業しているだけなのだけど、集まってくる人間がその店の雰囲気をコントロールしてしまうというところ。コンセプトワークから入る我々の店づくりとは根本が全く異なる。ロックな店にロックな客が集まるのではない、ロックな客が集まるからロックな店になってしまうのである。




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