オリンピック、ワールドカップサッカーと並び世界三大スポーツイベントのひとつと称されるフォーミュラ・ワン(F1)は、モータースポーツの最高峰であり、世界各地で開催されるそのレースはほぼ全世界でテレビ放映され、週末ともなると約3億5千万人の視聴者が観戦している。2008年シーズンは18のグランプリが開催され、11チーム22名のドライバーによって選手権が競う。最新テクノロジーの粋を集めたF1カーの戦いは、観る者を興奮させてやまない。
「F1 疾走するデザイン」は、2006年にロンドンのデザイン・ミュージアムによって企画され、F1におけるデザインをテーマとした国際巡回展の日本展。華やかで苛酷なF1の世界において注目を集める最先端のテクノロジーだが、技術開発と表裏一体となって速さへのあこがれを実現させてきた、デザインの力を忘れることはできないだろう。「勝つこと」というただひとつの目的のため、各チームは約10,000点以上にも及ぶパーツのデザインとそのセッティングにしのぎを削っている。
本展では、F1が発展するプロセスにおいてデザインが果たしてきた役割を、初めてF1グランプリが開催された1950年から現在にわたって、各時代を代表する実物のF1カーによって検証。F1黎明期の名車クーパー T51にはじまり、60、70年代を競ったブラバム、ロータス、88年圧倒的な強さを誇り、不世出のドライバー、アイルトン・セナに初のタイトルをもたらしたマクラーレン・ホンダ MP4/4などの歴史的なF1カーを間近に、これらのマシンが成功を収めた理由を解き明かす。
各チームがチャンピオンを目指して競い合うF1の世界は、その華やかな表舞台の裏に秘密主義が敷かれていることでも知られ、限られた人以外にその舞台裏が開かれることはほとんどない。本展では、映像資料やパーツごとに分解されたマシンの展示などによって、普段見ることのできない舞台裏にも迫る。
技術とデザインの強固な結びつきによって人びとに興奮と感動を呼び起こすF1。勝利を勝ち取るために研ぎすまされた、究極のデザインを存分に楽しみたい。