連載コラム グルメ 【マックロマンスの遊牧民的バーライフ】 Vol.45

青山で焼酎を呑む(1/2)

バー・スタイリスト MAC ROMANCE


2008/06/20

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青山で焼酎を呑む

先日、あるファッションイベントのパーティーにさそわれて久しぶりに青山まで足を運んだ。会場が「大人の遊び場」をテーマに展開しているナイトクラブでけっこうな繁盛店と聞いていて、それなりに期待して行ったのだけど、結果から言うとかなり残念な内容だった。イベントの演出どうこうの問題ではない。会場がちょっと悪すぎた。インテリアも従業員も音響も何もかもがすべてフェイク、まるで「ラーメン博物館」を訪れたような気分なのである。あれでは青山あたりの大人たちは納得しないと思う。どうせ「自称大人」のじゃりたれどもを集めて、経営を成り立たせているにちがいない。

今の若い人たちはフェイクな世界の中で喜びを得ることがとても上手だと思う。それが作り物であるということを100%承知の上で、その世界がまるで存在するかのようにふるまって、冒険したり、戦ったり、恋をしたりするのである。はたから見ていると子供の「○○ごっこ」のように思える。

「○○ごっこ」を無下に否定するわけではない。そういう楽しみ方があってもよいと思う。私だってディズニーランドに行くこともあるし、行ったら行ったでそれなりに楽しんで帰ってくる。ミッキーマウスを指差して、これは本物のネズミではなくて中には人が入っているんだよ。なんてことを言って、場の雰囲気を白けさせたりはしない。

考えてみればディズニーランドもテレビゲームも我々が子供の頃には存在しなかったわけで、そういう意味では我々世代の人間は今の若者たちにくらべて「○○ごっこ」のようなイマジネーション系の楽しみ方が下手であるように思う。

我々は、例えばプラスチック製の木々があしらわれた空間で、シンセサイザーで作った鳥のさえずり声を聞かされ、「さあここは深い森の奥です。みなさんで瞑想しましょう。」なんて言われても、アホくさくて相手にできず、例えばスペイン料理屋でどう見てもあきらかに日本人の従業員から「オラ!セニョール」と挨拶されてもどう対応してよいやら困惑するだけなのであり、同様に、ベニヤ板にパリの街並みが描かれた空間で、「ここがフランス式大人の社交場です。」と言われても、ただ下を向いて黙り込んでしまうのである。





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