連載コラム ライフスタイル 【小西康隆の『小粋の哲学』】 Vol.18

人に好かれるカツヒコ先生のオハナシをひとつ。(1/2)

(株)インタープラネット プロデューサー 小西康隆


2008/08/05

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梅雨が明けた途端、太陽の暑さがアスファルトを照りつけて、働く意欲を根こそぎ持っていって仕舞いそうだ。僕のオフィスは区民プールの脇を通り抜けるので、平日の真っ昼間から、気持ち良さそうにプールサイドに寝転ぶ方々を見かけると羨ましくて仕方無い。まぁ、僕は区民会館のかき氷で我慢するとしよう。

営業の仕事や人との交渉事が多い方は、こんな暑さなど諸ともせず日々都会の中を駆け巡っているのだろうね。だからこそ、新しい人と出会い、そこから仕事が発生したり、仲良くなったりすると、仕事が終わった後のビールが格別に美味く感じられるのだ。

さて、僕の幼なじみ、佐藤勝彦君は医者である。札幌南高校を出て、東京で僕と朝まで酒を呑んだお陰で東京医科歯科大学の医学部受験を寝坊してサボり、北大医学部にストレートで合格し、国家試験もアッサリと合格し医者になった輩である。

今は札幌市内の病院で循環器内科の先生として活躍しているのだが、その世界では可成り評判が高いらしい、と本人は言っているのだが。まぁ、全国から佐藤先生のハナシを聞きたいと医者連中が集るのだから本当なのだろう。そんな学会発表の際には、東京にやってくるので、学生時代の頃のように朝まで飲み明かすのである。

佐藤先生は病院を訪れる患者さんたちからも大変人気が高く、好かれているのだ。この、彼が患者さんたちから好かれる理由こそが今回のオハナシの重要ポイントなのでアル。

では、何故彼が人々から好かれるのか。聞いてみると意外や意外、こんな簡単な事だったのかと皆さんも驚かれることだろう。

彼は患者さんの問診の時に必ず、その人それぞれの個性や趣味、日々の生活ぶりなどを聞いて、カルテの隅に細かくメモっているのである。例えば、競馬が好きなお爺さんが診察に来れば、前に来た日を確認し、その間に開催された競馬のレースについて会話を弾ませるのだ。また、料理好きの患者さんが現れれば、「最近何か新しいレシピは出来たかな?」なんてハナシから患者さんの心を掴んで行くのである。定期的にやってくる患者さん達も2ヶ月に一度とか、暫くぶりの方も多い。そんな時もカルテの隅を見れば前回話した事がメモしてあるから、そこから会話の糸口が探れる訳だ。そして、みんなから「カツヒコ先生、カツヒコ先生!」と声を掛けられるのだ。

日頃、家で家族と会話をしなくなった人々が、この病院に来ると佐藤先生と近況報告などでコミュニケーションが図れるから、皆病気を忘れて元気な笑顔を取り戻すらしい。「気は心」とか「病は気から」などと言うが、あながちウソでもないのだろうナ。





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