連載コラム グルメ 【マックロマンスの遊牧民的バーライフ】 Vol.54

列には並ばない方がいいと思う(1/2)

バー・スタイリスト MAC ROMANCE


2008/08/22

クリップする

列には並ばない方がいいと思う

ファッションショーのバーコーナー、会場の中央に特設されたコの字型のバーカウンターは幅1メートル半、長さにして20メートル以上の特大サイズ。ここに10名ほどのバーテンダーが配備され、1000人のゲストのためにオリジナルカクテルをサービスする。それのディレクションを担当した。

まんべんなくお客がばらけてくれれば、そうハードな内容ではないはずなのだけれど、実際にはまあそううまくはいかないものである。案の定、エントランス近くに配備されていた2人のバーテンに注文が殺到。列ができるとそこに並びたくなるのが人。他のバーコーナーでも同じものを提供しているのだけれど、ちょっとやそっと説明したぐらいでは誰も理解しないし納得もしていただけない。結局、大活躍の2人がその夜の大半の酒を作り続け、その他のバーテンは持ち場で手持ち無沙汰、笑顔で突っ立っているのが精一杯という、あまりすばらしくない結果に至ってしまった。シミュレーションの時点で回避されたであろう想定内のトラブル、完全に我々のミスである。

ただ、当のお客たちからクレームをいただくようなことはなかった。というよりは、どちらかというと、皆さまけっこう楽しく列に並んでいるようにすら見えた。苦労して手に入れたカクテルの評判も悪くはなかったようで、お客様に喜んでいただけたのであれば、こちらとしても本望、今回はどうやらラッキーだったようである。





注目の情報

一軒家レストランの迷宮

一軒家レストランの迷宮

秋の夕暮れ、一軒家のレストランに灯りがともる。そこは、ゲストを温かく迎えてくれる我が家のような空間であり、また別世界へと誘う秘密の入り口。