マックロマンス(MAC ROMANCE)
1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む
バー・スタイリスト MAC ROMANCE
2008/09/19
マックはいくつになったんだっけ? 四十三? ふーん。今度ね。落語を特集することになったわけよ。でも、突然落語って言われてもさ、なーんにもわかんないじゃない。だから誰か落語に詳しい人間でさ、気の利いたヤツはいないかって、いろいろ探してたわけ。いるよ。いるさ。落語を語れるヤツはいっぱいいる。六十だか七十だかの重鎮。でも、その人たちに語ってもらうことは何もないわけよ。そうじゃなくてさ。我々の言葉で語れる人間を探してるわけだ。そう。あ、これおかわり。もうやさしいのじゃなくて大丈夫。うん。よくさあ。自分で店に行っておきながら、ここのメシがまずい。みたいなことをいうヤツがいるじゃんね。それはテメエの問題だって思うわけ。それがカップルとかでたまたま最初のデートだったりしてさ、メシがまずくてデートが台無しになったりしたとしてもさ。それはテメエの問題だってわけよ。うん。こないだモヒートを頼んだらさ。ちょっと甘かったんだよね。オレはあんまり甘い酒が好きじゃないのよ。で、言ったんだよね。これちょっと甘いよね。ってさ。うん。それだけの話。えーと。なんだっけ。そうそう猫。あ、猫じゃなくて落語か。それでさ、あちこち聞きまくってたらどうやらすごいヤツがいるらしいのよ。女でさ。当然ネットで調べてみるじゃんね。プロフィールとかさ。まあいろいろやってるみたいなんだけど、落語だけじゃなくて歌舞伎とかそういう古典芸能が得意らしいんだ。うん。でもそいつが書いたものを読んでみなくちゃわかんないよね。ところがどこをどう探してもヤツが書いたものが見つからない。それであっちこっち行ったり来たりの末にたどりついたのが「ねこ新聞」よ。
ね、ねこしんぶんですか...
そう。ねこ新聞。正確に言うと「月刊ねこ新聞」。こいつの創刊が94年。つまりJリーグが開幕した次の年からずっと毎月発行されてきたということになる。すごいだろ? だけれど、もうちょっと調べてみると、創刊の翌年に編集長が脳出血で倒れているんだな。入院して一時休刊しているのさ。まあでもそんなことはどうでもいい。そういえばさっき行った料理屋でとなりの席になんとかっていう女優がいたなあ。若い子でさあ。色が白くて小さくて。あ、安達祐実じゃないよ。そういうタイプじゃあない。女優さんだよ。ほら。色が白くて小さくて。美人ではない。美人というタイプじゃあない。オレのタイプでもない。そうそう。こないだとなりの席に伊東美咲がいてさ。彼女はけっこう年なんだな。足がね。細いんだけど、こう何て言うか30代の足。細いだけで張りがないのよ。ところでマックはいくつになった?
四十三です。それでねこしんぶんはどうなったんですか?
あ。そう。ねこ新聞。そうだった。「月刊ねこ新聞」にヤツが寄稿しているというところまではわかった。でも依然文章は手に入らない。そうこうしているうちにどこかの大阪のオバちゃんの個人ブログに行き着いたのよ。ヤツの書いたものを読んだ感想が書かれている。「感動して涙がとまりませんでした。」だってさ。すごいだろ。新聞や雑誌の書評じゃなくて、そのへんのオバちゃんのコメントだよ。オレはもう俄然ヤツの書いたものを読んでみたくなったね。そしてそれを読んだらオレは泣くと思うんだよね。感動して泣いてそして彼女に落語についての執筆を依頼するわけだ。美しいだろ? あ、も一杯ちょうだい。うん。そこで「月刊ねこ新聞」を購買することにしたのよ。一部380円。ところがこれが12部セットでしか買えないって言うんだよね。そんなにはいらない。うん。マックはいくつになったんだっけ?
四十三です。ねこしんぶんを買って、そのすごい古典芸能のライターの人の文章を読んで、それで泣けなかったらどうするんですか?
そしたらオレが書くんだよ。泣けなかったらオレが書くしかない。そういえばさっきそこで言った料理屋で隣の席に女優さんがいたんだよね。何て言う名前だったっけなあ。ほら。色白で細くて小さくて、うん。美人ではない。美人というタイプじゃない。オレのタイプでもない。あ、マック。デュルュッティコラムない?
photo by M+K

1965年8月東京生まれAB型。1983年単身渡英しプロミュージシャンとして活動する。1988年帰国、バーテンダーに転身。1993年東京都目黒区自由が丘に「プースカフェ」を開店、自ら店に従事する。2003年バースタイリスト活動を開始。バーのプロデュース、カクテルブックの制作など多方面のフィールドで独自スタイルのバーワークを展開... 続きを読む