エコ情報 銀座ミツバチプロジェクト 第3回
エディブル・ランドスケープ〜ミツバチが気付かせてくれた風景のありかた(1/2)
2008/09/24
銀座ミツバチプロジェクトと出会ってから、私の中で2つの変化が起きた。ひとつは以前より様々な生きものを愛おしく感じられるようになったこと。どんな姿形の生きものにも、等しくそれぞれの営みがあることを知ることで生まれた大らかな感覚は、実際にミツバチたちの営みを知ることから得られた素晴らしい変化だと私は思っている。もうひとつは、街や車窓でたびたび屋上を気にするようになったことである。おかげで近ごろは気付けば上を向いて歩いていることもしばしば。都会にはほんとうに沢山のビルがあり、そこには必ずと言っていいほど屋上がある。見上げれば空が広がり、見下ろせば街が広がる「上」でも「下」でもない都会のニュートラルゾーンが屋上という空間かもしれない。そして、これまで曖昧なスペースであった屋上だからこそ、今その活用方法が都会に暮らす私たちに大きな可能性をもたらし始めている。
「銀座ミツバチプロジェクト」特集の最終回となる今回は、副理事長の田中淳夫さんに「銀座ミツバチプロジェクト」を通して見えてきた都市と自然の共生についてお話を伺った。
「喜び」や「楽しさ」が抜かれたCSRは成り立つか?
例えば銀座がある中央区は、土地利用率のトップが25%の道路、次いで河川などの水まわりが10%。現実に緑を増やしましょうといっても、あとはビルばかりの状況だ。しかし、発想の転換をすれば、沢山のビルにはたくさんの屋上や壁面がある。ここに気付くと土地利用のイメージはぐっと広がる。海や河川を埋め立てて得る土地活用は、もう時代遅れなのだ。また、企業のCSR(企業の社会的責任)が当然のように求められる今、自身の持っている施設の屋上や壁面にどのような活用を見出せるかは、地元地域の環境にまじめに想いをめぐらせることが不可欠である。そういった点で、「銀座ミツバチプロジェクト」は養蜂を通じて銀座とその周辺環境を再認識することで成功した素晴らしいモデルケースである。
たしかにCSRは企業にとって避けようのない要素になってきた。しかし、CSRを考えること自体がその企業の悩みになってしまうケースも聞く。以前お話を聞いた大手企業のCSR担当者はいくつかあるCSRの要素の中で「人間としての喜び」と「社会から愛される企業になりたいという願望」は大きな原動力だと話してくれた。都会の屋上で養蜂や菜園を試みる人々を取材する中で伝わってきた想いもそれと同様であり、個人の喜びが、ひいては企業やグループの喜びに繋がっていたというものだった。現に、取材中聞いたお話の中に「自分の働く企業が銀座にある。その銀座の環境を考えることは東京の・・・いえ、もっと言ってしまえば日本の環境を考えることにも繋がりました。」という意見があった。「食」を通して育む環境意識には「楽しさ」がある。美味しいものが採れることを指標にして周囲の風景や、気候、生きものに気を留めるようになると、自ずと「自然の知らせ」に敏感になるものだ。
田中淳夫さんは「銀座の街研究会」の代表世話人でもある
銀座は植物の名前がついている通りが多い
採蜜作業をするプロジェクトのメンバー
意外にもミツバチは「家畜」なのである
















