連載コラム グルメ 【マックロマンスの遊牧民的バーライフ】 Vol.59
コメがよければすべてよし(1/2)
バー・スタイリスト MAC ROMANCE
2008/09/26
これがアップされる頃には一段落してるのかな?汚染米のことがやたら話題になっているからというわけでもないけれど、今日はコメがらみの話でもしましょうかね。
夏に旅行をしたときに生まれてはじめて「冷や汁」というのを口にした。ごはんに冷たいみそ汁がぶっかけてあるアレである。地方によって様々なレシピがあるようなのだけれど、私が食べた冷や汁の具は、カツオをたたいたもの、みょうが、ねぎ、しその葉、紅しょうが、梅干しなどで、これらが氷の入ったみそ汁の中でごはんといっしょにごちゃまぜになっている。食べた感想はどうかって言うと、これがもうたまらなく美味で、すっかり気に入ってしまった。以来、自宅でもことあるごとに残ったごはんやみそ汁で即席の「冷や汁もどき」を作って楽しんでいる。何でもどきかって、私の冷や汁には魚が入ってないからである。「冷や汁」の定義はよく知らないけれど、想像するにこれは漁師の料理、カツオであれアジであれ何がしか魚の存在が必要不可欠なんだきっと。魚ぬきの冷や汁ってそれは単なる「冷たいみそ汁かけごはん」だろうが。という声がよく聞こえる。で、ポイントにあげたいのが「梅干し」だ。できれば合成着色料で染め上げたカリカリ梅がよろしい。あのジャンキーな酸味と食感が「冷たいみそ汁かけごはん」を未知なる新世界へと導くのである。
冷たいみそ汁かけごはんにカリカリ梅が入っただけの、あまり見栄えのよくない食べ物は、たぶん世の中ではあまり賛同されないと思う。作るのも食べるのも私で、私自身がうまいと思っているわけだから、それでいいじゃないか。こうやって話題には出してはいるけれど、それを誰かに無理に食べさせようとしているわけではない。
私の父親は焼いた餅を醤油で味付けした生卵にからめて食べるのが好きで、我が家では、おとそ→おせち→雑煮→たまごからめ餅でシメ。というのが正月の定番だった。後に生卵+餅を食する風習が我が家だけのものだと知ったときは、けっこうなショックだったのだけれど、それは今でも私の大好物で、さらに青のりをしこたまふりかけるなどの新しい食べ方も開発し、正月ならずとも度々私の食卓に登場している。「たまごかけごはん」がこれだけ国民的な食事として認知されているのだから「たまごからめ餅」にだって愛される余地はあると思う。
アボカドは普通にスーパーマーケットでも売っているポピュラーな野菜(果物?)だけど、そうなったのはけっこう最近のことで、20年前にアボカドを見て、それが何だかちゃんと説明できる人はほとんどいなかったんじゃないかと思う。私の想像ではアメリカ寿司の「カルフォルニアロール」と共に広まったんじゃないかきっと。酢飯と合うなら白いごはんでも大丈夫だろうにと思い、私は当初から角切りにしたアボカドをどんぶりメシの上にのっけてバクバク食べていた。さらにはそれに納豆が加わることになったのは1993年頃の話である。これはある英国人の友人のアドバイスを受けてのことで、食文化に乏しいとされる英国人にも、ちゃんと味覚がある人がいるんだなと、妙な感心をしたことを憶えている。当時は「えー!あったかいごはんにかけちゃうの?えー緑色でぐじゅぐじゅで気持ち悪りー。」なんて不評の嵐だったけれど、今では普通にその辺の定食屋のメニューに載っていたりする。
photo by OSAMU KURIHARA


















