グルメ情報 一軒家レストラン【From Kersol Magazine】
東京タワーを望む絶景レストラン
ザ・クレッセント 芝公園
2008/10/14
芝の豊かな森に続く緑溢れる遊歩道沿いに、ビクトリア調の堂々たる館がある。その建物の名は「THE CRESCENT HOUSE」。1947年、まだ戦争の爪痕が残る同地に古美術商「三日月」の店舗として生まれ、1957年、元の建物を改築する形で「RESTAURANT CRESCENT」の営業を開始したのが始まりだ。1967年、創業から20周年目を記念して、美術商とレストランを営むために新しいクレッセントハウスの建設を開始。翌年1968年に完成したイギリスヴィクトリア朝風の煉瓦造りの洋館が、現在我々が目にするクレッセントハウスの姿である。
シェフの磯谷氏は86年の渡仏以来11年間フランス、スイスで腕を磨いた後、クレッセントに就任。当初はボリュームや味付けなど、日本人の口には難しいものを作っていた、と振り返る。しかし10年を経た今、その料理は完成されたものとなった。見事なバランス、味付け、見た目はアート作品のように美しい。
シェフの料理の根底にあるのは素材への敬意である。世界一美味しい羊肉を生産するとシェフが太鼓判を押す北海道白糠の羊飼いの農家へは、子羊の枝肉が届いた後熟成期間を経て解体する時、少量の肉を送り返す。味見をする機会の少ない農家にとって、それはとても貴重な研究材料となる。「料理は毎日作れるが、農家がその努力を発揮できるのはたった1回限り。料理人の何千倍も大変ですよ」と語るシェフは、自分の手が加わることによって素材が輝きをますよう、常に技術も発想を最高水準に保つ努力を怠らない。そんなシェフの料理は、この邸宅の完全なる厨房を飛び出して、料理の伝統を培った長い時間や、優れた素材を生み出す人々の努力、それを育む環境をも喚起させる力強さを持つ。
クラシカルで威厳漂うエントランスホール
ブルターニュ産オマール海老のエチュベと彩り野菜
シェフの磯谷氏。クレッセントの料理長に就任し10年となる
















