連載コラム トラベル 『True Blue』 Vol.01
隔絶された世界遺産の海 トゥバタハクルーズ紀行(1)(1/2)
tomokita
2010/08/17

トゥバタハの海は1年に3ヶ月間しか訪れることができない
ダイバーならば一度は憧れる世界遺産の海、トゥバタハ・リーフ。季節風の影響で、ここを訪れることができるのは3月中旬から6月中旬の約3か月だけ。その今年最後のトリップに行ってきた。
わたしがダイビングを始めたのは、ほんの4年前。友人に手配してもらって沖縄の慶良間諸島で体験をしたのをきっかけに、その後オーストラリアのエクスマスやコーラルシー、モルディブ、パラオと旅してきた。初めて沖縄に行った時には、海の色は本当に青いんだとシンプルに感動した(だってわたしの生まれ(主に)育った日本海は夏でも灰色)し、その海の色がオーストラリアの西と東で全然違う青だということも、行ってみて初めて判る発見だった。わたしは地上で踊るダンスも好きなのだけれど、エクスマスの海中で、流れに乗って小魚と一緒に踊ったダンスは地上のそれとは比べられない体験だ。自然相手の旅では、動かないもの(美術館や博物館、古いお城や庭園など)を観に行くのと違って、いるはずの魚が全然見つからないこともあるし、海が荒れて目的地にたどり着けないこともある。たどり着いたのはいいけれど、わたしの方がひどい船酔いで動けなかったという情けない想い出も。それでも次はどんな青に出逢えるのだろうと思うと、旅に出ずにはいられない。
今回訪れたトゥバタハ・リーフは、スールー海の真ん中、フィリピンのパラワン州都プエルトプリンセサから南東150kmのところにある。トゥバタハへの唯一の交通手段は、プエルトプリンセサを起点に3月から6月の間運航するクルーズ船。トゥバタハ管理事務所によれば、今年、クルーズ船の数は昨年より4隻増えて15隻、観光客も18%増えて1,423人となったそうだ。わたしの参加したクルーズは、シーズン最後なのでプエルトプリンセサには戻らず、カガヤン諸島とアポ島を経由してセブ島に行くというルートを辿った。ゲストの中には、盛りだくさんのこのルートを狙って、通常のトゥバタハ・クルーズではなく、この最後のトリップに参加したという人もいた。日本からはマニラ経由でプエルトプリンセサまで、ほぼ1日かけて移動し、1泊した後クルーズ船に乗り込む。
クルーズ初日は夜の出航までの時間、プエルトプリンセサ近郊でのダイビングかホンダベイでのジンベイザメツアーを選択できる。わたしは迷わずジンベイザメツアーに参加することにした。2年前、エクスマスでその半開きの口に迫られて以来、すっかり虜になってしまったからだ。午前7時にホテルのロビーに集合し、ダイビングチームとジンベイザメツアーチームに分かれて出発。ガイドの話では、ここ2週間ほど、ジンベイザメは目撃されていないとのこと。「あまり期待しないでください。ジンベイザメが見られなくても代金は返却しません」と念を押されるが、なお、高まる期待は抑えられない。
出航後十数分、果たしてジンベイザメツアー中のわたしたちの前には、イルカがびょんびょん飛び跳ねている。軽く100頭は超える群れ。船の両側で併走してくれたり、ちょっと船の下に隠れてはまた出てきてくれたりするので、一同大興奮。
しばらくしてイルカがいなくなると、今度は目を凝らして、小魚が集まって海面が波立っているところや、鳥が集まっているところを探す。小魚が集まっているのはプランクトンが豊富な証拠で、ジンベイザメもそのプランクトンを狙って現れる可能性がある。小魚が集まっているところには、それを餌にする鳥たちが集まってくるので、鳥も目印になる。














