「ルーヴル美術館展 フランス宮廷の美」が東京都美術館にて開催される。今年は日仏交流が始まって150周年。その幕開けとして、ルーヴル美術館が誇る18世紀後半のフランス宮廷美術を紹介する注目の美術展。
18世紀のフランス宮廷では、歴代で最も洗練された文化が花開いた。ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人や、ルイ16世の妃マリー・アントワネットら、美を愛する女性達がサロンを彩り、ロココや新古典主義などの芸術様式が展開した。宮廷人が特注した装身具や調度品には高価な材料と高い技術が惜しみなく用いられ、フランスの美術工芸はここにひとつの頂点を極めたとさえ言われる。
フランソワ・ブーシュ「ポンパドゥール夫人の肖像」
©Photo RMN-©Daniel Arnaudet / distributed by DNPAC
「マリー・アントワネットの旅行用携行品入れ」1787-88年
©Photo RMN-©Jean-Gilles Berizzi / distributed by DNPAC
「香水の泉」1700年頃
©2007 Musee du Louvre / Martine Beck-Coppola
宮廷で使われた品々の多くはフランス革命によって失われたが、ルーヴル美術館には貴重なコレクションが残されており、本展ではその中かえら選りすぐった名品約140点を展示し、華麗な宮廷美術の粋を紹介する。ポンパドゥール夫人好みの繊細な金銀細工や、マリー・アントワネットの趣味が色濃く表れた私室の書き物机、旅行用携行品入れなど、その多くが日本初公開となる。その他にも、絵画、素描、版画作品などを展示し、ロココ様式の終わりから革命期に至る18世紀後半のフランス装飾芸術史を概観できるとともに、フランス宮廷で活躍した歴史的人物に思いをはせることもできる。
本展ではルイ15世とルイ16世の治世という2部構成をとり、様式の変遷や歴史的な背景を浮き彫りにする。タピスリーや家具、絵画などが一体となった展示コーナーを随所に設け、金銀細工などのテーマ別の展示と相まって、豊潤な宮廷文化の様子を眼前に蘇らせる。テーマの展開に沿って随所に展示された版画も、主題として肖像や宮廷の風俗を表わした風刺画のほか、装飾画のデザイン画、祭典や庭園などのデッサンが選ばれ、いずれも工芸作品を鑑賞する優れた手助けとなるだろう。