ここではまずスタイルブックから基本のデザインを選び、その後革の色やディティールのデザインなどの好みを綿密に相談する。採寸は、長さや幅だけでなく、甲や親指の高さなどを計る。しかし足の形は朝と晩、前日の食事、体調などにより刻一刻とダイナミックに変化するもの。履き手はその不安定な足を靴という入れ物に託してなおかつ「心地良い」という感情で処理する。だからあまりに細かいデータをとるのは無意味。もちろん基本的な寸法はきちんと把握した上で、その他の微妙な調整は柳町氏の経験と感性が大切な要素となる。
その寸法を基に木型を作成する。基本の木型を削ったり革をたしたりして作るモディファイという手法以外にも、おそらく今までどのメーカーの靴を履いてもしっくりこなかった人のためのフルスクラッチという完全オーダーメイドの木型もある。その後、ラストメイキングや、アッパーの縫製、フィニッシングなどという作業を経てようやく完成。一足の靴ができあがるまでにおよそ半年。一足20万円からだ。
これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれ。しかし、10年後もこの靴が自分の靴として愛用している未来を想像すれば、その価値に充分納得がいくだろう。
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