新しい時を刻む、腕時計
シャンパンの雪降る夜に(2/2)
アーティスト小林和史の造るクリスマスツリー
まず、最初に思い付いたのはクリスマスの夜空にシャンパンの雪が降る、という幻想的なシチュエーションです。それを受け止めるツリーには、以前からプロダクトのテーマとしていた傘を使いました。傘というものは、非常に人間の肉体に近いものだと思うのです。
手を伸ばして柄をかかげ、雨風から肉体を守る。非常に「身体的」ですよね。そして、何世紀を経ても基本的形態は変わっていない。この一切の無駄のない要素に、新たな変化を加えて可能性を広げていくのが、デザインの醍醐味であり、また芸術の原点ではないかと思うのです。個人的なクリスマスのイメージというと、5歳頃、両親に連れられて行った銀座の街並みの夜景の輝きです。その日は雨で、車の中からワイパー越しに見た、滲んだネオンの色というのが今でも僕の心の中に根付いています。このツリーを見る人に、子供の頃、クリスマスの時に体験したそれぞれの胸の高鳴りを感じてもらいたいですね。
そして、シャンパンの雪が降り注ぐような、奇跡が起こることを願っています。
小林 和史(Kazushi Kobayashi)
デザイナー、アーティスト。outsect主宰。1983年イッセイミヤケデザイン事務所にてパリコレクションデザイナーとして勤めたのち独立。ファッションを中心として様々なジャンルで活動を続けている。ピエールカルダン賞、装苑日本テレビ賞など受賞多数。代表作品:1998年「エミールガレ×小林和史展」、2002年「Butterfly Infection-小林和史展-」、2006年「HUMAN TREE」、2007年「Insect Vision-考虫-」など。森山開次、東野祥子、パパ・タラフマラ、さとうじゅんこ、室伏鴻、小林嵯峨といった舞台衣装から、エルメスやSONYなどブランドとのコラボレーションも手掛ける。
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