高級レストラン&スポーツビジネス特集
自立経営を妨げる、親会社による過剰な庇護
今から遡ること53年前の昭和29年8月10日、当時の国税局より「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について」という法人税に関する通達が発行された。戦後復興におけるスポーツ文化の醸成を目的として定められたこの税務通達が、プロ野球球団とそのオーナー企業との特殊な資本関係の拠り所として、今もなお存在している。
この通達を簡単に要約すると、「プロ野球球団を子会社とする企業は、球団子会社における損失を“親会社の広告宣伝費扱い”として経費計上することを容認する」というもの。つまり広告塔としての球団が赤字を出したとしても、それは親会社の経費として扱うことができ、節税に結びつくということである。この結果、企業が球団経営に乗り出しやすくなる一方で、親会社の過剰な庇護により「赤字を出しても倒産しない」という公務員的な事業構造、或いは緊張感の欠如といった“負の面”が球団経営に蔓延りだしたのだ。
「社内ばかり見て、ファンを見ない。それでも倒産しないのだから。」この資本構造により生じうる問題は、傍から見るとさほど重要に思われないかもしれないが、球団現場においては諸問題の決定的な根源であることが実は少なくない。
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