美しき靴の世界&アオヤママニアック
もの作りの文化と価値を伝える『Works on the knees』(2/5)
もの作りの実感を求めた結果たどり着いたのが「靴」
柳町氏はもともと千葉大学で工学を学び、修士号を得た工学デザインのスペシャリスト。卒業後は大手電機メーカーで家電のデザインに携わった。しかし次第にデザインのプロセスに疑問を抱く。工業デザインでは必ずしも優れたデザインが「良い」製品とはならない。もの作りの実感が欲しい。
柳町氏は次第に靴という存在の魅力に惹かれる。人間の全体重を担いながら歩行という重要な行動の手助けをし、それにも関わらず、人々の好き嫌いという極めて感情的な判断にさらされる靴。しかし一度気に入られた靴は日ごとに愛着が湧き、時間が経つ度にますます魅力が増すもの。靴の選択にはこだわりがもっとも強く反映される。それこそ自分が目指すもの作りにふさわしいのではないか。
そこで柳町氏はイギリスへ渡り、本格的に靴の制作を学ぶ。その後ロンドンのビスポークメーカーやファクトリーで修行を重ねた後帰国し、ある靴メーカーでデザインを担当。しかしここでもおよそもの作りとはいえない現状に直面し、より深い失望を抱いた。
結局、自分が目指すものは、世の中のどこにもないことが判明した。ならば自分で始めるしかない。
そこで柳町氏が始めたワークショップが「Works on the knees」だ。
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