ファッション&スポーツビジネス特集
“市場領域”を考える
『日本プロ野球の“グローバル戦略”』
まず、プロ野球という事業の市場領域を考えるにあたり、「日本国内」と「海外」という2つの視点が存在する。特に海外市場は今後、有望な市場になる可能性があり、また球団が個別に進出するよりも球界全体で海外戦略を展開する方が好ましいと言える。
「海外遠征」という名での日本プロ野球の海外進出は、意外に歴史が古い。公式戦の海外遠征開催は1940年に、満州で2ヶ月間もの間リーグ戦を開催したのが最初であると言われている。近年では2002年5月、台湾にて福岡ダイエーホークス対オリックス・ブルーウェーブの公式戦が開催されている。とはいえ、歴史が古いというものの、海外遠征を球界全体として戦略的に組み込む動きはなく、ましてや海外市場で収益を上げるなど、現状のプロ野球界からは程遠い話にすら聞こえる。
しかし一方で、アジア野球のレベルの向上に伴い、韓国や台湾から日本のプロ野球に入団し、第一線で活躍する選手は今や珍しくない。日本人がメジャーリーグのイチローや松井、松坂などを応援するように、アジア各国でも、自国のスター選手がハイレベル且つ地理の近い日本で活躍する姿に一喜一憂する人々が多くいることは確かだ。これだけの状況にありながら、プロ野球界は今まさに芽生え始めている新たな市場を育てようという意識は低い。アジアの大手放送局が日本のプロ野球を自国で放送しようとしたが、あまりに複雑な権利構造に手を焼き諦めたという話も伝わってくる。しかし本来ならこういった放映権などコンテンツ事業、或いはその根幹となるファン基盤の拡大(海外遠征、交流試合、プロモーションなど)を、将来を見据えた形でプロ野球全体として取り組んでいくべきではないだろうか。
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